IL MARE LIFE | A loner's monologue

長野市の小さなお店「IL MARE」(イル・マーレ) 「IL MARE」と言うフィルターを通じて見える捉え方を 50代を迎えた当店スタッフが同世代へ向け 長年の知見と経験による皆様への様々な提案や考え方を共有・共感して頂くテーマブログです

IL MAREと言うフィルターを通じて見える捉え方を
50代を迎えた当店スタッフが同世代へ向け
長年の知見と経験による皆様への様々な提案や考え方を共有・共感して頂くテーマブログです

時々ゲストをお招きし記させて頂きます

「IL MARE LIFE | A Loner's Monologue」では時折、当店と交流のある方々に寄稿を頂いています。

今回ゲストとして寄稿を頂いたのは、県内の介護施設の職員として長年携わっている女性N様。

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N様は介護職を介して、約26年もの間、大勢の命と寄り添っています。

常に穏やかで、物事と真摯に向き合う姿勢を絶やさず、そして何より家庭と言う一つの核を大切にする人間性を持つ彼女は、どんな人にも優しく笑顔を与えていらっしゃいます。

我々にとって他人事ではない『介護』と言う側面についてお話を頂きました。


「私が介護職に就いたきっかけは実父の病からでした。」

「私が高校二年生を迎えた頃、父はくも膜下出血を患い、その後寝たきりの状態になりました。
当時の私はやりたい事ばかり(非行など)で、いつしか自分のせいで患ったのではないかと、未だ悔やんでいます。」

その後、寝たきりの御父様の介護に携わる事よって、介護と言う職にご自分の適性を見出し、この職に就いたのだと明かして下さいました。

「当時(自分が職に就いた頃)と、今の現場では状況がまるで違います。」

それは『介護保険』が適用された事によって変わり始めたのだと言います。

「私は現在、特養の施設で介護福祉士として働いています。
特養に入った利用者は、命の終わり(息を引き取る)まで、お世話をさせて頂いています。

利用者は住み慣れた家を手放し、家族と離れ施設へやって来ます。
それは利用者本人にとって、とても大きな決断であり、家族の事情、環境含め、決して本人が決して望んでやって来る訳ではありません。」

「利用者の希望や願いは、とてもシンプルでささやかな事」

と彼女は言います。

「できれば一度でいいから家に帰りたい、天気の良い日には外に出たり、お茶を口にしながら笑って穏やかに過ごしたい」

「そんなささやかな事なんです」

しかし現場では、そんな当たり前の風景も時には取り上げられてしまう事もあるのだと言います。

そこには、公機関による指導や施設上の決まり事がある為です。

「食事時間は決められた時間が必須」

「外出には許可が必要」

「本人の意思ではなく離床させる事が必須」

「3食完食しない場合は補食摂取が必要」

言葉の深意は恐らく、当該職でなければ想像が難しいものであるかも知れません。


彼女は言います。

「私が介護職についた頃は、もっとゆったりとしていました。 利用者第一で、日向ぼっこをしたり、おやつを食べながらお喋りしたり、いい時代だったと思います。」

「今は、制度や規約、契約に縛られ、一番大切である利用者を軽視している様な気がします。」

広い視野と緻密な管理が求められる介護の現状に於いて、扱っているの(対象)が「人」である事、またシステマティックになり過ぎてしまう事によって、管理を越えた過剰な存在意義になってしまう懸念を、彼女は危惧しているのでは無いかと思います。

彼女を指して

「あなたがいるだけでホッとする」

「顔を見ないと心配になるんだよ」

そんな言葉を口にする利用者が多いのだそうです。

彼女が制度や規約を認めつつも、自身の接し方を模索し、利用者と向き合い

「少しでもホッとする笑顔や、少しでも一緒に楽しめる時間を共有出来るように努めて行こうと思っています。
いつか自分自身も老後を迎え、施設のお世話になる日が遠くない限り、利用者の声に耳を傾け続けようと思っています」

彼女はご自分の御父様の病床に『施設の利用者が欲しているもの』、加えてそれらが『非常にささやかなこと』である事を実感し、公の決まり事の範疇で、ご自分の考える『介護』の方法を貫き、そして最も人にとって大切な『寄り添う』ことを軸に、今日も利用者に安心を与え続けています

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医療と並んで過酷とも言われている介護の現場。

彼女はその現場に長く身を置く中で培った「プライオリティ」を貫き、今日も利用者の人々の笑顔を増やし続けています。

そんな彼女の愉しみの一つ、息抜きの一つに、私達との時間の共有を以て下さっています。

彼女の装いを魅力的に、そして自分だけの装いを作り上げる歓び、その感情こそ彼女が仕事で感じ取っている「我々にとってのプライオリティ」の一つとして役立てていたらと考えさせられています。

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この介護と言う話題は現在の日本の社会に於いて、非常にデリケートな話題の一つでありますが、今日縁あってN様の考える介護への心向きを記させて頂くにあたって、本来必要不可欠なものを履き違えない事、そして何より大切な真心と言う、人と人がつながりを持つ上で大切な感情の一つを思い起こさせるものになりました。

少子化によって人口が減り続けている今、同時にコミュニティの存在も薄くなり始めている様に感じられる昨今。
管理社会が進む事によって、利便性の反面孕む「不遇」。

様々な思いを巡らせる寄稿となりました。
N様ありがとうございます。


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毎年春になると新しい洋服に身を包む事が楽しみになり、またそれらから当たり前の日常が変わって見える事があります。

人は「新しいもの」から様々な物をインスピレーションします。

例えば美容室に行ったばかりの女性が洋服を見たり、美味しい食事をしたくなったり
或いは新しい車を手に入れるとドライブに出かけたくなったり

人は新しいものが自分の生活に取り込まれると、ポジティブな想像に包まれるものです。

私は洋服を主に扱う仕事柄、『洋服が心を啓発する』と考えて来ました。

それは男性にとっても、女性にとっても同じで、どこか自信を身に着けた様な、そんな感覚に捉われるからだと思っています。

無論、そこには投資も必要で、自分が背伸びせずに出来るオシャレよりも、少し背伸びしたオシャレの方が、気持ちの昂ぶりも違うと思うのです。

私達の業界は常に新しい物が世の中に輩出され、やがて認知され廃れる、そんな繰り返しが行われる業界です。

然しながら、常に新しい「カタチ」を望んでいる訳では無いのは、私達も御客様も同じ気持ちでしょう。
加えて、その中に見出される「自分が感じる魅力」は、人それぞれ違うもの。

私は私達の世代の中で一つ変化を感じる事が出来る物が在るとしたら、その一つに『生地』の魅力を挙げます。

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誰もがスーツやジャケット、コートを身に着ける訳ではありませんし、誰もが高級ファブリックを選べる訳ではありません。

然し、生地はどんな洋服にも使われる物で、シャツであっても、パンツやスカートであっても、違いを見る事が出来ます。
勿論、ニットに使われる「糸」もその一つです。

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生地には不思議な魅力があります。

「色」、「凹凸」、「風合い」

様々な表情が、異なる人の目に「魅力」として伝えられるのです。

例えばこの写真の様に、在り来たりなジャケットの生地、それもマットでフラットな質感の物に、光の加減によって見え方が変わる生地があります。

一般的にはソラーロと呼ばれる玉虫状の表情を持つ生地です。
(リネンやウール、化繊など様々な種類があり、様々な糸を混紡された物が在ります)

他にもリネンやシルクをツィード状に織り上げた物の様に立体的な凹凸を持つ物、透ける程繊細に織り上げられた軽いモヘアなどの物など、生地には高い安いに関わらず、織り方や、得意としている生地メーカーが作り出す「匂い」によって表情が一変するものです。

そこにはビジネスには不向きの物も多々ありますし、逆に普段の装いに変化を与える物もあります。

それらが醸し出すのは「毎日着ている」物に対する「密かな満足」という一つのモチベーションです。

普通と違って見える事、いつもと違った心持で居られる事、それは種類は違えど一個人が感じる一つのポジティブな感情。

当たり前の物だから、当たり前に毎日身に着ける物だからこそ、日々の変化を楽しめたり、違った心持で一日を挑める、そんな一種の自己啓発のチカラが洋服にはあると思っています。

靴やバッグ、それが髪を束ねる一つの雑貨でさえも同様に、新しいものを手にする事はいつもと違った感情を沸かせるものです。

私達が日常をつまらなく、或いは倦怠的に感じる時、何か一つ新しいものを加えて見たり、新しいものにチャレンジしてみたりする事が、日々を生きる中で大切な要素になり得るかも知れませんね。

きっと、音楽や食事、日常のどんな事にも共通しているものだと思います。

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