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今年の冬は雪が少なく、いつもより過ごし易い毎日に。

雪山では積雪不足からスキー場が悲鳴を上げ、廃業を余儀なくされる不穏な状況も顕れていますが、一方の街中では降雪が少ない事で御洒落が限定されず、例年に比べて多くの御洒落が楽しめる冬になりました。

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雪が降ると屋内に閉じこもり気味になってしまう分、とかく気分も塞ぎがちになります。
屋外に出なくなると、とかく見る物聞く物に情報を頼ってしまいますが、屋外へ出る事で視覚聴覚的感覚だけではなく、やはり触感を重んじる事も大切ですね。

人の身体は他の動物に比べて優れた感覚が沢山あります。
その一つに触感がある以上、人が生活するうえで欠かしてはならない感覚の一つかも知れませんね。

話は変わりますが、ふとした時目にするSNSのログ、店頭で耳にする「自分には似合わない」と言うフレーズ、この言葉に昔から疑問を持つ私。

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何故人は「私には似合わない」と言うのか。
そんな素朴な疑問は幾つかの答えが在ると思うのですが、そのうちの一つには

「着ているのではなく、着られているから」

と言う主観が在ります。

無条件に、顔から体格まで全てに優れている人にとっては何の違和感も無いでしょう。
しかし人は必ず、顔や身体のどこかにコンプレックスを持っているものです。

コンプレックスとは"完璧を目指す為"の指標で在って、決して悪い物では無いと考えているのが私です。

それは『100点満点の理想に向けて、今自分に足りていない物が何なのか?』を解っているからです。

そのコンプレックスを補おうと『努力する人』には、相応の魅力が備わって行きますが、コンプレックスではなく『諦めてしまう人』には、何も生まれません。

では、何故「私には似合わない」と思ってしまうのか。

それは、(1)自らが求めている姿(スタイル)ではない、(2)食わず嫌い、(3)妥協をしている、この何れかが作用して、頭から否定してしまう為ではないでしょうか。

(1)は致し方無いとして、(2)と(3)については、明確な理由があります。

(2)の食わず嫌いは、トライする勇気を持つだけ、(3)の妥協をしていると言うのは、実は細分化されています。

一つは髪型や化粧、身嗜みに目を向けているかどうかです。

男性も女性も、大抵の人々が”巷で人気のブランドを身に着けたい”、或いは"高級だから安心"等々、目から入力された情報だけで処理され、それらを身に着けた事で安心をしてしまい、最も大切な

「顔や髪、体形に気を配る」

ことを疎かにしてしまいます。

これは最早、ファッション後進国としか言いようがない根本的な「ブランド至上主義」への登り道です。

どんなに素敵な洋服やバッグを身に着けても、どんなに高級な品物を手にしても、それらを身に着ける

本人自身が行き届いていなければ、どんな素敵な物も全て台無しにしてしまいます。

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この気を配ると言うものの中で、私が最も感じるは

「髪型」

です。

女性であれば化粧やダイエットは、様々な理由で出来る人、出来ない人、やろうとする人、やろうとしない人、様々です。

しかし男性も女性も、髪型は多い少ないに関わらず、ほんの少し手を入れる、或いは顔や輪郭に合った髪型をリクエストする等、実際に活かしようが在る物だと思うのです。

この髪型一つで雰囲気が変わり、それまでの服装も見違えるようになるのは、髪型によって顔の小ささ、或いは身長の高低差を感じさせたり、様々な効果が期待出来るからなのです。

勿論、髪色も同様です。

そしてもう一つ、「とても気に入っているのだけれど、着て見ると似合わない」という場合、これは多くの場合「サイズが合っていない」或いは「配色」など、つまりは

組み合わせのバリエーションに乏しい


為、似合うと感じられない場合があると言うこと。

このバリエーションに乏しいと言うのは、品数を指すのではなく、組み合わせる為の

想像力

が乏しいと言うことを指しています。

この想像力、そしてコンプレックスを補う業こそが

センス

と表現されているものだと思うのです。

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人に察せられないよう見せる努力、それらしく見せる業は何度も試行錯誤を重ね、時間を掛けて培っていくものでもあり、また元々持ち合わせている人もいるかも知れません。

私の場合は紛れもなく前者であり、30代では当たり前だったことが、50代では出来なくなり、その結果、それらを補う為の「見せる(隠す)努力」をしています。

例えば、顔はコンパクトに面長に見せる為に髪の両サイドを短く刈り、輪郭をハッキリさせる為にゴーティーにしています。(顎鬚を生やしています)

歳と共に痩せて来た手足、突き出た腹部を隠す為、選ぶ洋服のサイズを常に変えています。
時にはウエストは出し、裾幅は詰め、身体の特徴で補えないものは洋服のリフォームを利用して誂え直すのです。

或いは、腕を長く、脚を長く見せたい時には、それぞれの丈を調節したり、それらから見える手足首、或いはシャツやニットなどの見える面積を多くする為、(インナーだけを)別のサイズで選んだりもします。

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誰もが願う様な顔や体つきで生まれて来る訳ではありません。

そして世の中で活躍されている多くのモデルさんやスタイリストさんたちが、長い下積みや経験を糧に培って築き上げて来た「知識」と「発見」をもとに魅せている訳です。

また同時に『自分だけに留めておきたい技や知識』は、そうそう簡単には人に見せないもの。

私にも、私だけで留めておきたい技や知識がありますが、少しずつ皆様へ、こうした技や知識を提供する様にしています。

結果、"似合う、似合わない"の論議を目にすると、私にとっては「諦め」としか映らなくなるのです。

私は、お客様とお店との出会いは、よりパーソナルな信頼関係が築かれ、初めて成されるものだと思いますが、"似合う、似合わない"の疑問は、意外なほど「自分自身」に答えが在ると言う事を皆さんに知って頂けたらと思っています。


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