IL MARE LIFE | A loner's monologue

長野市の小さなお店「IL MARE」(イル・マーレ) 「IL MARE」と言うフィルターを通じて見える捉え方を 50代当店スタッフが同世代へ向け 長年の知見と経験による皆様への様々な提案や考え方を共有・共感して頂くテーマブログです

カテゴリ: MONOLOGUE

無粋な話ですが、良く耳にする会話の中に

「見た目より中身が大事」

なんて言う言葉を訊いたこと、きっと誰もがあると思います。

勿論、人の中身(性格)は大事。
人の形(なり)を知るのには、その人の性格を知る事は大切な要素です。

私は洋服の仕事に携わっている事もあり、よく口にするのは

『見た目8割』

と言うザックリとした言葉。

人は初対面に於いて、一番初めに”目”で情報を得ます。

その人が”どんな姿”をしていて”どんな表情”で”どんな話し方”をするのか、そんなことを知らずのうちに見ているのでは無いでしょうか。

そして、その後会話を重ねるうちに、その人の考え方が判ったり、徐々にその人の性格も伝わり始める、つまり言葉は見た目を補う為の一つの方法です。

言葉が伝える情報は多岐にわたります。

自分のこと、世の中のこと、物や場所のこと、趣味のこと、仕事のこと、全ては言葉が相手に伝える内容を積み上げていきます。

何故、見た目8割と言うのか。

それは人が、相手の顔の形や表情、そして服装から、大きく情報を得る為で、つまりはファーストインプレッションとして、相手にどれだけの興味や安心感などを与えるか、と言うことにフォーカスしているから。

例えば、顔の輪郭が丸型の人には、安心感や食欲、笑顔などを連想させたり、髪の毛がボサボサで無精ひげが沢山の人には、少し無頓着さを連想させたりなど、顔や表情は、その人の(本来は違ったとしても)生活の一部を連想させるものです。

そして服装はと言うと、例えば銀行員は、きちんとプレスの施されたスーツやシャツにネクタイを締めているのが”当たり前”と私達は勝手に想像しています。

金融や法律、公務に携わる人の多くが、こうしてクリーンな(清潔感のある)印象で在る事が多いと思います。

では逆に、想像される銀行員の姿が、髪の毛はボサボサで、シワシワのスーツやシャツ、ネクタイは緩く結ばれズレている、と言う人がいるとしましょう。

でも仕事は一流、きちんと遂行する、しかし見た目は前述のような人がいるとしたら、初めて会った人は相手にどんな印象を持つでしょうか。

「この人にお願いして大丈夫だろうか?」

そんな思いが頭を過るのではないでしょうか。

つまり、人は想像以上に相手の見た目で、知らず知らずのうちに判断している節が在るのです。

特に若いころとは違って、或る程度の年齢に差し掛かると、より多くの人の目に留まりやすくなる分、粗相のない服装や身嗜みで在りたいと願うのが大方の想いでは無いでしょうか。

相手に安心感や信頼感を与える姿は、どんなに言葉で補ったとしても、人の脳裏に微かに残るもの。

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相手を慮ればこその自らの身嗜みは、人との距離を測り、社会と言うコミュニティの中で大きく存在を左右するもので在るわけです。

欧州、欧米の人たちは多民族国家が多く、”相手に自分を伝える・理解してもらう”と言う文化が在ります。
それは自己主張と言う形で終始されてしまう事が多いですが、長い歴史の中で、大きな大陸に沢山の民族が密集する地域ならではの自国文化です。
(理解や同調する人を増やさなければ侵略があるからとも言えます)

反って日本はと言うと”察してください”と言う一歩下がった遠慮や没個性を助長する文化です。
日本人らしい良い文化でもあり、世界とは異なる文化社会を長く続けている私達ですが、今、日本は世界交流がSNSなどを中心に、以前に増してグローバル化が進んでいる様に思います。

欧州・欧米の人たちに倣えと言う訳ではありませんが、人が見た目を重んじるのには実は”大きな理由がある”と言う事を、もっともっと知って頂きたいとも思います。

人は見た目が8割

残りの2割は会話とコミュニケーションで補う

実は大切なのは日々の身嗜み(や印象)だと言う事を心の奥底に設えておきたいですね。



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春夏秋冬。
日本には四季が在り、四季折々の楽しみがある数少ない国の一つ。

季節ごとに楽しむ御洒落も、少しずつ違う気温や天候に合わせて、自分だけの細かな拘りや満足を以て日々装うことが出来ます。

私が長年今の仕事を続けて来て、時々お客様から耳にする言葉が

『丈だけで全然違いますね』

と言う言葉。

誤解を恐れずに言うならば、大抵の方が自分に合うパンツやスカートの丈を知らずに購入し、その製品を褒めたりダメ出しをしたりする経験があると思います。

逆に、お店の店員さんから「あなたはこれ位で履いた方が良いですよ」などアドバイスをされても、直さずすぐに着られるなら、そのまま持ち帰りたいと思う心情や、ひょっとしたら、そんなアドバイスが無いケースもあろうかと思います。

私はお客様によって身長や体格(体形)、勿論手の長さや足の長さ、腰の位置、ひいては踝(くるぶし)の位置を見ながら、お客様に最適な丈の位置を提案します。

それはお客様が「自分はこの位置がイイ」と言う自分の中の決め事が無い限り、念のため提案させて頂く訳ですが、ただおもむろに最適な丈を提案する訳では無く、その人が履く靴の種類や日頃の装いを聞いたりしながら、体格体形と照らし合わせて、そのお客様が

最も美しく見える位置

を提案します。

ここで言う”最適”は、人それぞれ違う上、決め手となる踝の位置(高さ)や踝の形など、その人だけの美しく見える位置を探し、人によっては数ミリ単位で提案することもあります。

洋服を提供(販売)する仕事と言うのは、前提に商い(商売)がある訳ですが、私はそれと同時に、そのお客様が購入し身に着けた時

他人からどう感じられるか

が気になります。

つまり購入していただくお客様の向こう側にある、未知の人々から見られる事を意識します。

一種のツマラナイ見栄であったり、不要なプライドとも捉えられますが、人それぞれが違う体形で在る限り、人が美しく、或いは素敵に見える”全ての丈”はバランスのもとに成り立っているわけで、それを見極め提案することが、私が考える最適なアドバイスでも在るわけです。

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今日もお客様から

『ホント、丈だけで全然違うんですよね』


とお言葉を頂きました。
この些細なことが、私の満足であり、またお客様に開眼していただける事の喜びであり、商品在りきではなく、それを身に着ける

人在りき

で在る事を実感するのです。

この職業に身を置いて以降、長い間色々なお客様と対面させて頂き、色々な体格や身長、体形の方を拝見し、そこには私が考える黄金比になるはずのバランス位置が、それぞれの人達に在る事を改めて皆様にも知って頂きたいと思う様になり、またそれらに気付いて頂けた時のお客様からの声は、私の仕事冥利に尽きる物でも在ります。

身長、体形、体格、骨格、パーツの位置や大きさ、選ぶ洋服のシルエット(形)、全てが適うべきバランスになった時、洋服は素敵に魅せてくれる物になります。

洋服在りきの洋服屋ではなく、身に着ける人在りきの洋服屋であることは、きっとこれから先も変わる事が無いでしょう。

それが些細なことで在ればあるほど、魅力はもっと魅力に見えるはずですから。



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Gal-Gadot-Wonder-Woman-1984
世の中は鬼滅の刃なるアニメ映画が席巻していますが、元々洋画好きな私は週末のレイトショーを利用して様々な映画を見て気分転換を計っています。

映画の中から「どんな事を伝えたかったのか」或いは「何がテーマになっているのか」を考えたり、また脚本を紐解いてみたりと、様々な角度から観る癖がついている為、どんな物語にもストーリーの中から『何か』を取り上げる作業が好きです。

この日観たのは数年前の映画「Wonder Woman」の続編でもある『Wonder Woman 1984』でした。
アメリカのヒーロー映画(コミック)にはスーパーマンやバットマンから成るDCコミック系と、スパイダーマンやアイアンマンなどから成るマーベルコミック系の二派に代表されていますが、このWonder Womanは前者DCのヒロイン。

主役を務めるのは過去にミス・イスラエルにも輝いた経歴を持ち、また兵役も経験しているモデル出身美女ガル・ガドット。

凛とした目や長い手足と、恵まれたスタイルを活かしスーパーヒーローを充分に演じています。

この作品で一つのテーマとなっているのが人間愛ですが、それ以外に私が着目したのが『猿の手』と言う表現です。

この「猿の手」と言う表現が度々(劇中で)出て来ますが、元々は古い小説、それも恐ろしい小説の元祖と言っても過言ではないもので、その小説のあらすじから形容されています。

簡単に言ってしまうと『願いが叶うが、”代償”を払う』というもの。

Wonder Woman 1984の劇中ではそれらが多々使われています。

私がこの「猿の手」から感銘を受けた事として

人は「±0」で成り立っている

と言うことがあります。

人は二本の脚で地面(平面)に立ってバランスを取っています。

もし片方の脚が高い場所にあれば、高い方の脚は膝に負担がかかり、またもう一方の脚は筋力が弱まります。

当然と言えば当然ですね。

経理で言うところのバランスシート(貸借対照表)もそうです。

貸方、借方、どちらかが多かったり少なかったりでは、計算書は成り立ちません。
必ず±0になる事が前提です。

突然、目の前に大金が落ちて来たとします。

大金を手にしたことを喜び、ひと時の嬉しさのあと、例えば納税であったり(消費するには消費税がかかります)、その大金を手にしたことで性分が変わることも無いとは言えません。

つまり、人は大金までとは言わなくとも、適正な対価を手にするため、日々仕事に勉学に努めている訳で、突然起きた喜びには何かしらの”代償”が在ると言うこと。

勿論、喜びの大小、代償はの大小あるかも知れませんが、この映画Wonder Woman 1984の劇中でも伝えている

『Truth is Beautiful』

(真実は素晴らしい)

この言葉には嘘が在りません。

人生、何が起こるかは誰にも解りません。

突然のラッキーが訪れたり、突然の悲しみが訪れたり、それらは常に±0で考える事が出来ます。

喜びも悲しみも、どこかで穴埋めがされているのだと思うのです。
それが一度に行われなくても、徐々にで在っても、人生の±0は、宛らバランスシートの様に考える事が出来ます。

きっと、そうではないと思われる人もいるかも知れませんし、実際、一方のバランスが崩れている人もいるかも知れません。

然し、安易ながら、そんな考え方をするだけで、人の心や人の考え方は前を向けるようになります。

妬みや辛み、人の足元ばかりを眺めている人には、それらは感じられないかも知れません。

そんな心の奥底にある濁りを取り払い、童心で物語を見たり、演劇を見たり、またアニメでも良いでしょう、そんな心の解放出来得る時間を経ることが、今(コロナ禍、景気低迷期)は特に必要なことかも知れませんね。

ともあれ、同じ人生を生きるならば、ほんの少しでも楽しみや喜びを見つけられる生き方の方が何倍も楽しかったと顧みる事が出来るに違い在りません。

日頃から忙しくしている人や、少し心がささくれ立って来ているな、と感じる人が居たら、時にはこの映画の様に勧善懲悪のお話を観てみると良いかも知れません。

どうぞ皆様にとって振り返った時に楽しかったと思える一年で終われますように。






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多くの人々がこれまで体験した事の無い世界的流行となった新型コロナウイルス感染。
前代未聞の惨状に多くの人々が命を落とし、同時に多くの人々に暗い影を落としています。

今、海外では最前線で戦うエッセンシャルワーカーの人たちへの讃辞と共に、病床から回復した患者を称える行動が増えて来ています。

「ウイルスとの戦いに勝った」と称えるこの行為を日本人は出来るでしょうか。

今、盛んに騒がせているのが、感染した人達や、その家族に向けられる差別的な視線。
人々の心根が顕わになる瞬間でもあり、裏表のある人の本性が見える時でもあります。

こうした感染への恐れ、「自分たちだけは罹りたくない」と思う利己的で自己中心的な発想が、人を強い差別で遠ざけています。

とても悲しい事です。

どれ程気を付けていても、どれだけ注意をしていても、ウイルスは心を持っている訳ではありません。
完全隔離された世界で生活をしない限り、誰もが同じ目に遭う可能性がある事を、多くの人たちは想像すらしていません。

こうした「差別的な発想をすべきではない」と、こんな運動が始まっています。

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『シトラスリボン運動』

人と人とが繋がり合う事で支えられている地域のコミュニティ、生活基盤、それらに差別を持つべきではありません。

感染を止める事が第一、経済的な救済も大切、終息後の未来も大切です。

同時に病で在ろうと無かろうと、周囲の人たちへの優しさは、持たなくてはなりません。

この新型コロナウイルスと言う大きな問題は、人々の考え方や生活に、とても大きな何かを齎す切欠となる気がします。

人との接し方、学びへの新しい姿勢、社会への関心、そしてモラルやマナーなど、きっとこの難局を乗り越えた後、私達日本人は違う何かを掴んでいるでしょう。

誰もが安心の幸せに満ちた毎日を送りたいものです。

でも、それは他力本願では成し得られるものではありません。
常に自分と向き合い、自問自答を繰り返し、何をすべきで、何を排すべきかを考え、自分に答えを出し、それを能動的に行うこと。

それこそが建設的で前向きな社会や、安心の毎日を作る一歩になるような気がします。

人を排他的に見たり、接したりする事は、やがて因果応報と言う言葉によって知ることになります。

大変な時だからこそ、今以上に多くの人たちが優しさで満ちた毎日が増えて欲しいと願ってしまいます。


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「バランスがいい」

って何だろう?

仕事柄、お客様と会話をしていると「バランスが良い」という言葉が度々出て来ます。
そもそもバランスって何だろう?
バランスが良いって何だろう?

そんな思いに駆られる方も少なくないと思います。

バランスが良いと一口に言っても、何のバランスが良いのか?

そもそもバランスが良いとする定義って何だろう?

人が"バランスが整っている"と感じる時、多くの人の目には一種の「黄金比」として視覚的な枠にはまります。

その黄金比は大抵のものに一致するもので、縦横比だったり、色の重なり合いだったり、何かしらの形で視覚的に訴えて来るものです。

この黄金比、有名な所ではレオナルド・ダ・ヴィンチの名画「モナリザ」にも適合すると言われていますが、そもそも黄金比と言うからにはロジックに従ったある種の計算比が算出されている訳ですが、遡れば、それらは古代建築や美術など多くの物に適合しています。

その黄金比とは1:1.168と言う近似値で算出されています。
解りやすくすると

5:8

の割合で物の造形を成しているものに感じられる比率です。

あのアップルのロゴマークもこの比率によって作られている為、ロゴに親近感を感じるのもこの比率の為かも知れません。

人は脳で計算する事無く「イヤでも気になってしまう」のが、この比率なんですね。

デザインを中心に行う仕事に於いて、これらの比率は多くに活かされています。
勿論、WEBデザインにも応用されており、皆さんが見るPC画面やスマートフォン画面の中にも、同様に見易さを感じるものが在るとしたら、この比率に同調しているかも知れません。

しかし、この黄金比は所謂造形物で起こり得るもの。

例えばスタイルの良い女性がいたとして、その女性のヌードの写真には美しさを感じるのに、衣類を身に着けた途端、それが別のものに見えてしまうとします。

この場合、身に着けた衣類が女性の身体に恵まれた黄金比を覆い、全く異なる黄金比に見えるとしましょう。
すると、どこか素直に美しさを感じる事が出来ないのは、服装の色であったり、形であったり、身に着ける物の比率が変わってしまう事で、人の目には数パーセント減算されて目に映る事になります。

要は「素敵」とか「綺麗」とか「カッコいい」と思える物には「バランス=比率」が重要だと言う事です。

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一枚の美味しいピッツァが在るとしましょう。
「見るからに美味しそう」と思えるピッツァには、きっと具材がバランスよく配置され、彩りも綺麗に映っているでしょう。

口に入れて美味しいかどうかは好みの問題。

しかし食事にも、人が無意識に黄金比を以て見ている事が分かります。

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一枚の写真を撮影したとします。
その写真が綺麗に見えるかどうか、美しい、素敵、と思う写真には、前述までの黄金比とは異なる比率が在るのですが、これはまた次回に振るとして、写真一枚の中にも色の数や、対象物の大きさの違いなど、様々なところに、人は"一瞬にして"目を向けています。

鼻や耳、舌と違い、より詳細に、より瞬間的に、物を判断する事が出来るのが「目」です。

かつて、一種の障害を抱えた男の子が「計算」だけを素早く、それも何桁もの数字を処理する能力に長けていました。

この男の子は、数字を「目」で見て「映像」に変え、それらを脳の奥にある答えに結び付ける事をしていました。
つまり計算をするのではなく、映像と答えを直結しているだけなのですが(勿論一般の人には困難)、目と脳の近い関係性を、より活かして使っていた事になります。

こうした障害のある子供たちにとって、目の記憶力は非常に高く、例えばヘリコプターで東京を周回し、その時の映像を寸分たがわず絵に描く事が出来る子もいました。

「目」つまり視覚的効果は、人にとって非常に大きな影響を持っており、まるでコンピューターの様に多くの物を解析する事が出来るもの。

こうして黄金比は古くから、意図的ではなく、無意識に人の脳に働きかけ、美しさを感じるセンサーとして働いていました。

しかし、中には「目」による能力に長けていない人、或いは他のチカラによって補ったり、他の器官に優れている人もいます。

現代人は一日が短く感じてしまうほど、常に多くの事、物に急かされ、目を有意義に使えていない事が一つの起因では無いかと私は考えるのですが、実はこれらを研ぎ澄ませる為の一つの方法が在ります。

それは

「常に素晴らしい物を見る事」

です。

魅力的、或いは有名、高名なアーキテクチャー(建築物)を見たり、美術品を見たり、日常生活の中には無いような様々な物を、視界に入れ、またそれらに触れる事によって、目は自ずと黄金比を認知し始めます。

洋服も同じです。

想像を超える様な高い品質に触れたり、日常では袖を通す事が限られてしまう様な物を試してみたり、常に高い基準を持ち続ける事によって、それらは自ずと「経験値」を育みます。

毎日を贅沢に過ごすと言うことではなく、可能な限り多くの物に(例え入手出来なくとも)触れたり、目にしたりすることは、目からの情報に加え、体感(触感)によって更に確固なものに変わって行きます。

私がこの業界に足を踏み入れ、彼是三十年弱になりますが、この間、常に多くの物(それらが数千万円規模の宝石だったり、数百万規模の洋服だったり)を見て、触れて、その目と手で確かめて来ました。

建築物や美術品も同じく足を運び、出来る限り多くの物を目に入れて来ました。
食事も可能な限り、機会にありつける様に過ごして来ています。

常に手元に置けなくても、多くの物を見て、触れて、確かめる事は、多くを判断する材料となり経験値となります。

世の中の造形物に於ける黄金比は変わる事が在りませんが、人の目に映る黄金比は養う事が出来ます。

やがて黄金比=バランスを見出す事が出来、そこには無意識な「バランス」が培われて行くのです。

「あの人は御洒落」とか「あの人はスタイルが良い」など、人が目を伝ってバランスを感じるもの、或いは人には、もしかしたら人知れず努力が在り、そこには先述の様なバランス感覚を養って来たものかも知れません。

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御洒落はバランス、そして色も形も、ある程度のセオリーの中に収まるものが、一番魅力的に映るものです。

御洒落はロジックではなく、感覚(センス)が活かされるものですが、感覚=目は養う事が出来ます。

人は目に映るものが全てと認識します。
ファーストインプレッションで好印象を残す人には、必ずバランスの良い服装、無駄の無い服装が纏われています。

美しい物ばかりを見続ければ人は美しさを更に貪欲に求めます。
その逆を見続けると、うんざりするようなネガティブが占拠するでしょう。

精神衛生にとっても美しいと感じる事は大切ですね。

身動きがし辛い環境の人、忙しい人、人には時間が確保できない人もいるでしょう。
そんな時は、造形物、建築物、美術品の写真を眺めたり、雑誌を眺めて見たり、毎日の中で出来る事から始めて見ても良いですね。


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